最近、このエントリーを参照される方が多くなってきています。このエントリーの公開は2012年7月29日で、今日現在で6年近く前の内容になります。それぞれのサイトのスクリーンショットや実際の手順など今の内容とは異なっていると思います。あくまでも当時の手続きの流れだということを念頭に置いて読んで頂くようにお願いします。2018年6月19日 記
ABNとは
ABNとは、Australian Business Numberのことで、オーストラリアで何らかのビジネスを行う場合に必要なものです。ただし、個人経営(Sole Trader)でビジネスをする場合にはABNの取得は必須ではありません。業種によりますが、ビジネスが小さなうちはABN無しでも実はあまり困ることはありません。でも、企業相手にビジネスを行う場合にABNを訊かれたりしますし、ABN無しだと銀行のBusiness Accountも持てません。.com.auのようなドメイン名を取得する場合にも必要だったり、ちょっとビジネスを手広くしようと思うとABNはやはり必要になってきます。
Register for an Australian Business Number (ABN)
Not everyone needs an ABN. To get one you need to be carrying on an enterprise.
If you apply for an ABN and you’re not entitled, your application may be refused. You’ll be sent a letter explaining why.
With an ABN you can:
- confirm your business identity to others when ordering and invoicing
- avoid Pay as You Go (PAYG) tax on payments you receive
- claim Goods and Services Tax (GST) credits
- claim energy grants credits
- obtain an Australian domain name.
私は今までABN無しで何年かSole Traderとしてビジネスをしてきましたが、今会計年度からビジネス形態をPartnershipに変更するのに伴い、ABNを取得することになりました。
日本だと、こういう場合はどこかの役所に出かけて紙で手続きするケースが多いでしょうが、こちらでは大抵オンラインでできてしまいます。私もできるだけオンラインで手続きをしてみました。これはその時のメモです。
ABNの登録方法
前出のURLにあるリンク(Apply for an ABN online)から登録します。
サイトはこちらになります。
Australian Business Register (https://abr.gov.au/)
画面左のメニューの”Apply for Australian Business Number (ABN) and other registrations”から入ります。
重要情報(Important Information)はそのまま”Continue application”をクリック。
この画面ではビジネス形態(Sole traderかPartnershipかCompanyか等)を選びます。私はPartnershipを選びました。個人ならSole traderを選びます。
次の質問は現在あるいは過去にABNを持っているか、持ってるなら”Yes”でそれを入力入力します。これは一人でいくつもビジネスを持っていたり、過去にビジネスを持っていたりした場合に紐付けするために必要なのでしょう。私はABNを持っていませんので”No”です。
次の質問はABNの申請をするかどうかです。ここでのApplicantは個人(Sole trader)なら申請人個人のことですが、CompanyやPartnershipの場合はビジネスの実体(entity)のことになります。当然申請するので”Yes”です。
次はTax File Number(TFN)を持っているかという質問です。ここもapplicantはビジネスの実体ですので私の場合は”No”になります。TFNは個人だとすでに持っていると思いますし、もし持っていなければオンラインではなくペーパーワークが必要です。→Apply for a TFN
最後の質問はTFNを申請するかどうかです。PartnershipビジネスとしてのTFNはまだ持っていませんのでここは”Yes”にします。この場合もTFNを持つことは必須ではありませんが、ことごとく税金的に不利な状況に陥りますのでABNを持つならそれに対応するTFNは持っておいた方がよいみたいです。
あとは”Next”をクリック。
このページではビジネスの情報を入力します。私はビジネス形態として Family partnership を選びます。あとはビジネスの内容でYes/Noの選択肢を選び、最後にAccountant(会計士)を使う場合はその登録番号を入力します。私は自力でするつもりなので空欄のままです。
“Next”をクリック。
ここではBusiness address detailですので住所とメールアドレスを入力します。ここで”Exit”をクリックすると一旦作業を中断して後日続きを再開することができます。(正確には「できるはず」です。私はそのまま進んだので本当にできるのかは分からないです。)
“Next”をクリックして次へ。
この画面ではAuthorised contactと言って、今後このABNの情報を変更できる人物を登録します。会社組織では一人ではなく複数人登録することになると思います。私の場合は自分ひとりだけ登録しました。Preffered languageが選べるようになっています。ここでは無理せず(笑)に日本語を選択しました。
“Next”をクリック。
ここでは構成員の情報(Associate detaild)を入力します。Sole traderなら個人の、Partnershipなら各パートナーの情報を入力します。ここでもTFNの入力を求められます。ここは個人のTFNになります。これでこのビジネス(ABN)に関係する個々人が税法的にリンクされることになります。
“Next”をクリック。
最後にこの画面に来ます。もうここでABNが表示されています。”Your name”のところにはSole traderなら申請者個人の名前が、Partnershipの場合はパートナーの名前が列挙されます。
これで手続きは完了です。念のためこのページを印刷しておきましょう。それから、ここまでで気がついたと思いますが、ABNの取得には費用がかかりません。無料です。
後日、ABNとTFNがそれぞれ文書として郵便で送られてきます。私の場合ABNは数日後に届きました。でも、TFNはすぐには届かず、丸々一週間後に今日届かなかったらATOに問い合わせしようかと思ってたらやっと届きました。
以上で、一歩も家から出ること無く(家のポストまで郵便を取りに出ましたが)、ABNを取得できました。
責任回避
最後に、ここに書いた情報は私の実体験によって書かれていますが、今後も全く同じ手続できるということは保証されていません。また、ここに書いた税務上の解釈については私の個人的な理解ですので、あくまでも参考にするにとどめてください。内容について理解や判断ができない場合は必ず専門家に確認するようにしてください。情報の正確性については私は何ら保証はしませんのであしからず。
ご丁寧な解説で、勉強になりました。
僕もABNを初めてとったときは面倒だったので、こういった解説があると便利ですね。