移民流入の行きつく先、国籍取得(帰化)


移民流入の話の最初で「移民大国」というフレーズが出てました。曰く『日本が事実上の「移民大国」であることが浮き彫りになった』そうなので、さぞかし国籍取得(帰化)した外国人が多くなっていると思いますよね。元ネタのOECDのデータにも国籍取得のデータがありましたのでちょっと紐解いてみました。

国別国籍取得人数

国別国籍取得人数
こんな感じです。米国はダントツの国籍取得人数です。他の国は20万人ラインから下で団子状態でひしめいていますが、日本はどこでしょうか?日本は韓国の線と重なり合うようにして最下位争いをしています。「移民大国」とはちょっと思えない状況ですね。
ここで、日本だけのデータで見てみましょう。

日本の国籍取得人数

日本の国籍取得人数
移民大国としては、かなり意外な傾向じゃないでしょうか?近年は割と持ち直してきた感じですが、ここ十数年では右下がり傾向です。

ちなにみここで「国籍取得」としていますが、正確には「帰化」です。日本の場合は、元々国籍を取れる人が取得した場合に「国籍取得」と言って、本来日本国籍と関係のない外国人が国籍を取得するのを「帰化」と言うそうです。
例えば、「法務省:帰化許可申請者数等の推移」を見ると明確に分けてあります。
このエントリーでは、他の国の記述もあり便宜上、国籍取得=帰化として扱っています。

ともあれ、日本の国籍を取得した外国人の国籍はどこが多いのでしょうか?見てみましょう。

国別日本国籍取得人数

帰化許可者内訳
2017年までのデータが描かれているのは先の「法務省:帰化許可申請者数等の推移」のデータを使ったからです。2015年までのデータはOECDのデータと一致しています。
一番多いのは韓国・朝鮮籍の帰化です。恐らく、特別永住者が帰化するケースが多いのではないかと想像します。次が中国籍ですね。これで8割方を占めます。残りが「その他の国籍」の人たちで毎年2,000人足らずです。

という訳で、先のエントリーで出した日本への流入外国人数と国籍取得人数を重ねてみたグラフがこれになります。
日本に長期滞在あるいは永住で流入してくる外国人はここ数年で増加傾向にあるけども、国籍取得(帰化)にまで至る人は相当少ないということが良く分かります。

各国の移民流入人数と国籍取得人数の比較

では、他の国の場合はどうでしょうか?
国別に同じようにグラフを並べてみましょう。
豪州
イタリア
スペイン
ドイツ
英国
韓国
米国
カナダ
フランス

御覧の通り、国によって様子は色々ですが、おおむね移民流入した人数に対して結構な割合で国籍取得した人数があるのが分かります。日本のように移民流入人数に対して極端に国籍取得人数が少ないのは韓国くらいですね。ドイツは近年の大量の移民流入が加速度的に増えていますが、こと国籍取得人数に関しては毎年同じ程度の人数で推移しています。

帰化が少ないのは日本は二重国籍を認めていないから?

Dual Citizenship
この世界地図の赤色は多重国籍を認めていない国を示しています。日本もその中の国の一つです。日本の国籍取得人数(帰化)が極端に少ない理由のひとつに二重国籍を認めていないということが挙げられると思いますが、ドイツやスペインなども二重国籍を認めていませんがそんなに極端に少ないということもなさそうです。むしろ陸続きかどうかなど歴史的に人が移動して行き来しやすいかどうかで決まってきているような気もします。いづれにしても、日本は「移民大国になった」と言えるほどの国籍取得人数は多くないのが実情だと言って良いでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です