流入もあれば流出もある


前のエントリーの続きです。
日本の外国人の流入については先のエントリーで明らかになりましたが、流入があれば当然ながら流出もあるのです。同じOECDのデータベースにも流出(Outflows of foreign population)のデータがあります。これと先の流入のデータを組み合わせてみると、年間の在外国人の増減が分かります。

日本の流入流出外国人数

日本の外国人流出入の様子がこれです。この数字は下記のように再入国ビザで一時的に出入りする人数などは省いてあるので純粋に長期居住者の増減になります。

Inflows:
Foreigners who entered the country,excluding temporary visitors and re-entries.
Outflows:
Foreigners who left Japan without re-entry permission. Excludes temporary visitors.

これで分かることは例えば2015年は39万人流入してますが、一方で22万人流出していて差し引き17万人が純増ということになります。これは流入した外国人の半数程度は数年くらいの滞在で入れ替わるように流出しているように見えます。それは留学だったり仕事で海外赴任の人数が相当数あると見て良いのではないかと思います。残りの純増分は長く滞在あるいは永住や帰化する人数であり、それが2011年から毎年順調に増えているのでこれがいつまで続くのか今後の動向は注目したいですね。そういう意味では前のエントリーのきっかけになった西日本新聞の記事の「日本語教育の推進など定住外国人の支援策が急がれる」と言っていることはそんなに間違ってはいないのですが、データの見せ方が恣意的扇動的でまずいと思っています。

他の国の流入と流出傾向

それでは他の国はどうでしょうか?日本と同じような傾向なのでしょうか?なぜかOECDの流出人数のデータには米国・カナダ・フランスの数字が出ていません。データのある残りの国の流出入人数のグラフをデータを以下に示します。
豪州の流入流出外国人数
イタリアの流入流出外国人数
豪州とイタリアは流入が圧倒的に多く流出が極端に少ないですね。

スペインの流入流出外国人数
スペインは流入と流出の絶対値が平行移動しているような面白い変化をしています。見方によっては2007年に大量に流入してきた外国人が2013年頃に再び流出していったようにも見えます。滞在期間が6年くらいで何かあるのかもしれませんね。

ドイツの流入流出外国人数
ドイツは他の国と全く異なり、流出がほぼ一定なのに流入が加速度的に増加しています。

英国の流入流出外国人数
韓国の流入流出外国人数
英国と韓国は何となく日本に似ています。しかし、英国と韓国の総合流出入は3年から4年周期で面白いように同期して増減が繰り返されているところが特徴的ですね。

日本の外国人人口

結局、日本にはどの国の外国人がどれくらいいるのか確認しておきましょう。以下は、以前のエントリーで使ったのと同じグラフですが、在日外国人の人口総数はおよそ200万人強でこの10年間で増えたり減ったりしていることが分かります。さらに、韓国・朝鮮人やブラジル人は減少傾向にる一方で中国人を始めアジア各国の割合が増えて相対的に国籍の多様化が進んでいる様子が何となく分かると思います。
国籍別在日外国人人口推移

最後に

OECDのデータには今回話題にした「外国人流入」や「外国人流出」以外にも「亡命希望者の流入」「外国生まれの人口」「外国人の人口」「国籍の取得」と興味深いデータが並んでいます。気が向いたらこれらについても分析してみたいと思います。

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