新 日本における外国人犯罪数の傾向を紐解く

2017年に投稿したエントリーに新たに2023年までの数字を追加した更新になります。


こちらのエントリーも、ぜひ合わせてご覧ください

新 日本における外国人犯罪数の傾向を紐解く (本エントリー)
新 在日外国人の犯罪は多いと言えるのか?




本エントリーに使用した資料は下記で、警察庁(https://www.npa.go.jp/)のサイトに公開されています。

※出典 警察庁
2014年(H26)~2023年(R5)
令和5年の刑法犯に関する統計資料 (PDF注意)
https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R05/r05keihouhantoukeisiryou.pdf

2005年(H17)~2015年(H27)
平成26,27年の犯罪情勢 (PDF注意)
https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h26-27hanzaizyousei.pdf

これらの資料の中には下の表のように「外国人」という括りの中に「うち来日」という表現が出てきます。

これは令和5年の資料に下記のように定義されています。

外国人
他国籍、無国籍及び国籍不明の者をいう。
なお、「来日外国人」とは、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の外国人とした。

この定義は前回から微妙に言い回しが変わっていますが、意味は変わっていません。
ちょっと分りにくいですが「来日」というのはおおむね90日以内の短期ビザで観光等で日本を訪れる外国人と考えてよさそうです。そして、「来日」以外の外国人とは上記の定義によると、長期在留資格を持つ所謂在日外国人と在日米軍関係者と在留資格不明の者(恐らく大多数は不法在留者)ということになります。そのうちの在日米軍関係者についてはほぼ間違いなく全員が米国籍でしょうから、その他の国籍の外国人について考えると単純に「在日外国人」とみなしてよさそうです。
ここでは「外国人」の数値から「来日外国人」の数値を引いた数値を「在日外国人」の数値として進めていきます。


まず最初に総数で見てみましょう。犯罪件数と犯罪人数が資料にはありますが、ここでは人数で比較していきます。

来日も在日も概ね減少傾向にあったのがコロナ以降上昇に転じつつあるように見えます。



このグラフは2023年の国籍別の外国人刑法犯検挙人数を来日と在日に分けてプロットしてあります。ちなみに中国には台湾・香港は含まれていません。
このグラフから韓国・朝鮮、中国、ベトナムが突出していることが分かります。韓国・朝鮮は在日が主なのに対して、中国やベトナムは来日が主であることが特徴です。


次に検挙人数の目立つ韓国・朝鮮、中国、ベトナムのそれぞれ国籍ごとにトレンドと在日来日の内訳を見てみましょう。

韓国・朝鮮籍では検挙人数は圧倒的に在日が多いです。全体としては減少傾向にありますが、コロナ後にわずかに上昇しています。



中国籍でも検挙人数は減少傾向にありますが、大半は来日によるもので在日はほぼ横ばいで推移しています。



前回急上昇していたベトナム籍ですが上下の波はありますが上昇傾向は続いています。そのほとんどが来日によるもので在日は少数横ばいで推移しています。


では在日と来日でそれぞれの国籍別で検挙人数の推移をみてみましょう。

在日の中では韓国・朝鮮籍が多いのですが、全体として減少傾向にある中で韓国・朝鮮籍と中国籍の占める割合が減ってきています。グラフで挙がっている国籍以外の国の検挙数が増えてきていることを示しています。


来日では中国が減少傾向を示しているのに対してベトナムの増加ぶりには目を見張るものがあります。全体の検挙人数を押し上げていることが明らかです。


次はこれを踏まえたうえで日本人と比較してどうなのかを別エントリーで書いていきます。


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