基になるデータ
必要なデータは「年齢別男女別の人口」と「年齢別の平均余命」です。ここで「男女別」というのは、平均余命が男女で異なるのでこの影響も見てみるためです。
以下の資料から数字を取ってきました。
年齢別男女別人口
統計局ホームページ/人口推計の結果の概要
ここの「平成29年12月確定値、平成30年5月概算値 (平成30年5月21日公表)」にあるエクセルから数字を取りました。元データは5歳毎ですが、後の「平均余命」が10歳毎のデータですのでそれに合わせて10歳毎に合算しました。
年齢別平均余命
主な年齢の平均余命|厚生労働省
ここの平成22年の数字を使いました。
平均年齢はおおむね45歳ですので、この年齢を基準にする意味で黄色で示しています。男女平均は人口で加重平均して計算しました。
平均余命補正した年齢別の票格差
先の平均余命のデータを元に単純に45歳の持つ票を「一票」に正規化したのが次の表とグラフになります。
若い人ほど今後長生きするという当たり前の結果ですね。この計算の過程で男女の差を見てみましたが、年齢層を10歳で区切るとそんなに突出した違いは見られなかったので、ここでは平均値を採用して年齢層別の切り口だけで見てみることにしました。
平均余命補正した年齢別の票数の分布
上記にさらに年齢毎の人口を掛け合わせると欲しいデータが出てきます。
どうですか?割と年齢格差の問題が解決できそうな票の分布に見えませんか?実際には投票率がこれに掛かってくるのですが、少なくとも投票する機会がこれだけ与えられていると考えると悪くない分布に見えます。ちなみに、グラフの薄い赤と青は選挙権の無い年齢層(正確には18歳以上は選挙権がありますが)を示しています。この年齢層の人たちの未来に対する権利に対しても加味するべきかもしれませんね。実際には18歳未満の子供の親にその分の票を加算して与えるとか考えられると思います。若い人たちの投票率が低いのは年齢格差による一票の重みが少ないために「投票に行ってもしかたない」という気持ちも少なからずあると思います。年齢別に一票の重み付けを変えることで若い人たちの投票へのモチベーションも上がるのではないでしょうか。
参考:年齢別投票率(平成29年第48回衆議院議員総選挙)
総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について