日本における外国人犯罪数の傾向を紐解く


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「平成26,27年の犯罪情勢」(PDFですので注意)
https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h26-27hanzaizyousei.pdf

という資料が警察庁(https://www.npa.go.jp/)のサイトに公開されています。公開されていると言ってもサイトからここに辿りつくのは結構大変です。私はグーグルさんに導かれて見つけました。そして、そのデータの中身を見ると、微妙な表現があることが分ります。

例えばこんな表があるのですが、国別データの内数として「うち来日」という項目が設けられています。そしてこのように定義されています。

外国人とは、他国籍、無国籍及び国籍不明の者をいう。外国人のうち、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者を来日外国人とした。

ちょっと分りにくいですが「来日」というのはおおむね90日以内の短期ビザで観光等で日本を訪れる外国人と考えてよさそうです。そして、「来日」以外の外国人とは上記の定義によると、長期在留資格を持つ所謂在日外国人と在日米軍関係者と在留資格不明の者(恐らく大多数は不法在留者)ということになります。そのうちの在日米軍関係者についてはほぼ間違いなく全員が米国籍でしょうから、その他の国籍の外国人について考えると単純に「在日外国人」とみなしてよさそうです。

そこで、在日外国人の数を引き算して算出してグラフにしてみました。

まず最初に総数で見てみましょう。犯罪件数と犯罪人数が資料にはありますが、ここでは人数で比較してみます。

おおむね外国人刑法犯検挙人数は在日と来日で半々くらいと見て良いでしょう。そして、年々減少傾向にあったのが、在日の犯罪検挙人数が近年若干増える傾向にあることが分ります。

このグラフは2015年の国籍別の外国人刑法犯検挙人数を来日と在日(在留)で分けてプロットしてあります。ちなみに中国には台湾・香港は含まれていません。

このグラフから分かる事は韓国・朝鮮、中国、ベトナムが突出している事、韓国朝鮮は在留の方が主なのに対して、中国ベトナムは来日が主に検挙数を稼いでいること、でしょうか。その他の国はおおむね来日在留関係なく件数は同じようなレベルにあります。

では次に上位3位の韓国・朝鮮、中国、ベトナムのそれぞれ国籍ごとにトレンドと在日来日の内訳を見てみましょう。

最初に検挙人員第一位の韓国・朝鮮籍の検挙人数の推移のグラフです。全体として年々減少の傾向にあります。在日と来日との比較では圧倒的に在日の検挙人数が多いことが分ります。

これに対して検挙人員第二位の中国は傾向としてはやはり減少トレンドですが、在日と来日との比較では韓国・朝鮮と大きく異なり来日による検挙人数が多い事が分ります。

第三位のベトナムも中国と同様に来日による検挙数が主で、特徴的なのは2013年から来日による検挙数が急激に増えています。全体の検挙数を押し上げていますので、今後注目する必要がありそうです。

今度は、在日と来日それぞれの国籍別の検挙人数のトレンドを見てみましょう。

在日外国人刑法犯検挙人数は韓国・朝鮮が常に一番多く、次いで中国が多いようです。

来日外国人刑法犯検挙人数は直近では中国とベトナムがダントツで多く、全体として減少傾向だったのがベトナムの犯行急増でそれを打ち消しているのが目立っています。

ここまで調べてきて、では日本における外国人による犯罪は日本人による犯罪と比べて多いのか少ないのかが気になりますね。これはまた別のエントリーで書きたいと思います。

P.S.
今回のエントリーはFacebook上で自分のタイムラインに投稿した記事を大幅に加筆修正して作成しました。Facebookでは後で記事を参照しようとしても自分の記事ですら探し出すので面倒なのでブログに残すことにしました。


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