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ThinkPad T42の修理という名のT43化

T42が壊れた

たまに現役から退いたThinkPad T42に火を入れて生存確認をしていたのですが、電源周りがいかれてきたらしく、電源が入らなくなることが時々あり、そうこうしているうちにとうとう全く立ち上がらなくなりました。現象からはマザーボードの故障なのは明らかで、今更ながら修理するかどうか悩ましいところでしたが、思い切って中身をT43化してみることにしました。

このT42のT43化というネタ自体はもう今更の話題ですが、せっかくなのでエントリに残すことにしました。

マザーボードの調達

日本だとヤフオクでしょうがこちらではeBayがデフォです。古い機種なので動作確認済みの中古のマザーボードが米国で安く出てます。安い分送料が結構な割合になりましたがそれでも送料込みで約70ドル弱で手に入りました。

マザーボードの交換

14インチ型のフレームも一部くっついてきてますが、外せば問題ありません。さっそくT42を分解します。

結構ほこりまみれです。

外したネジはこうやって過不足が生じないようにします。

さくっとマザボを載せ換えます。

それでもってすぐに起動してみます。ちゃんとPentium M 2.0GHzになってます。メモリはT42のメモリがDDRだったのがT43からDDR2に変更になったのでそのまま使い回しできず、手持ちのDDR2のを仮に1枚だけ入れて1GBになっています。

問題発生

でも、ここでエラーが二つ出てこれより先に進めません。一つは無線LANのカードはT42に搭載されていたPhilips製のをそのまま使ったのですが、これが認定されたものでないとかでエラーが出て駄目。仕方ないのでIntelのT43でOKというものをeBayで手配しました。それまではカード抜きで問題先送りします。二つ目はHDDがこれまた認定されてないので駄目。これは調べてみるとHDDのファームを書き換えて認定品にしてしまうという方法があるみたいなのですが、この方法はできるHDDのメーカーが限られていて、私のHDDはWDので対象外で無理。でもBIOS設定でこのエラーを回避する項目があり、これを設定すれば起動の度に警告のビープが鳴ってうるさいですがとりあえず起動できたので、これで良しとしました。これでWindowsが無事に起動するところまで来ましたのでしばらくこれで使ってみることにしました。

無線LANカード

後日、eBayで注文したIntelの無線LANカードが届いたので取り付けます。が、アンテナコネクタが片方うまく嵌りません。

なんと、コネクタの一部がひしゃげています。返品も一瞬考えたのですが、これは約4ドル+送料約6ドルの中古品で、USの売り手とのやりとりなどの手間と費用を考えると猛烈にめんどくさそうな予感がしたので拡大鏡とピンセットを使ってコネクタを修正して何とか使えるようにしました。このカードだと起動時のチェックに引っかかりませんでした。使えたので良しとしましょう。

ファン交換

入手したマザーボードにはヒートシンクと一体になったファンが付いてきたのでそのまま使っていましたが、例によってファンから異音がしています。ファンはT42のが一度ファンを交換して以降まだ音が静かなので、これを使い回しすることにします。


使い回しをするに当たって、ヒートシンクに貼り付けてあるスポンジが経年変化でボロボロになっていたので全部きれいにとっぱずしてから、手持ちのスポンジを薄く切って貼り直しました。効果の程は不明ですが、一部エアフローを改善するためにオリジナルと違う貼り方をしました。

最後にT42のヒートパイプには付いていなかったT43のシリコンラバーを剥がしてきて貼り付けて交換完了。

謎のキーボード不具合が

1GBのDDR2のメモリも手に入れ、搭載可能な最大容量の2GBにしてこれで改造作業完了したつもりで使い始めたのですが、キーボードに不具合が発生しました。元々のT42では日本語キーボードから英語キーボードに交換して使っていました。今回のT43化ではその英語キーボードは使い込まれてトラックポイントのクリックボタンがかなり接触が怪しくなってきていたので、保存しておいた元の日本語キーボードを改めて使うことにしました。ところが、このキーボードはほとんど使っていなかったので新品同様のはずなのですが、何故かSとXのキーがうまく動かなくなったのです。これらのキーを打つとキートップが沈んがままになりその後ゆっくりと戻ってきます。キーのスプリングがへたってしまったような粘る感じです。

このキーの丁度裏側にはヒートシンクの上に貼ったシリコンラバーがあります。ヒートシンクの熱をラバーを通してキーボードの裏のアルミ板に逃がす構造です。このヒートシンクからの熱でキートップ内部のラバーが変形してしまったのかと思い、そこの温度を測ってみましたがせいぜい40度ちょっとくらいしかないのです。これが原因とはあまり考えられません。

日本語キーボードに元から何か不具合があったのかと思って英語キーボードに取り替えてみても同様にSとXのキーが沈み込んだままになります。電源を切って取り外してみると沈み込みは治ってしまいます。やはり温度に関係しているのかと試行錯誤しているうちに突然気がつきました。

これはキーボードの裏側の写真ですが、所々に見える黒い点は実は穴が開いていてキートップを押すとその穴から空気が抜けてくるんです。そこにシリコンラバーがあるとその穴をふさぐことになり、キートップを押した時は無理やり空気が外に抜け、キートップから指を離した時にはラバーが完全に穴を塞いで空気がすぐには入って来れないのでキートップがゆっくりと戻る、というのが事の真相でした。

ちょっと見難い写真ですが、キーボードとヒートシンクのラバーの位置関係を透視して見ると丁度ラバーの変な形の穴が空気抜きの穴に重なっていないとこういう現象が起こることが分かります。ラバーを適当に貼り換えてしまったのが失敗の原因でした。(汗

よく見たらヒートシンクはラバーの貼り位置を指定しているような形状になっています。これにピッタリ沿うように貼ればよかったのです。ネットで同様の現象が報告されていないか調べてみましたがラバーの貼り換えを失敗した人はあまりいなかったようで、見つかりませんでした。分かってみると単純なことでしたが、ともかくやれやれです。

BIOSの話

起動時にHDDが非認定品だと警告音が鳴る件ですが、色々調べていくと、この警告音を鳴らす部分をバイパスした改造BIOSが存在することが分かりました。この種の改造BIOSについては賛否両論があるのであえてリンクは張りませんが、私はこれを使うことで警告音を回避することができました。今のところ他に問題は起きていません。

最後に

今回はT43の部品を使ってT42の修理をした訳ですが、今まで交換した部品はマザーボード、メモリ(DDR→DDR2)、無線LANカード、LCDパネル(以前UXGAに交換)、キーボード(今は元の日本語キーボードに戻ってる)、HDD(WDの320GBに交換)、光学ドライブ(これは前に故障したのでeBayで入手)で、オリジナルで残っているのは筐体と内蔵スピーカーやACアダプタだけということになります。

T42の皮を被ったT43と言っていいでしょう。あとはせっかくLCDをUXGAに交換してあるので、ビデオチップがATI Mobility FireGL V3200のT43pのマザーボードに交換したいところです。さすがにこのマザーボードは数があまり出回っていないようで、入手が難しそうです。もし機会があれば試してみたいですね。

「ThinkPad T42の修理という名のT43化」への2件の返信

T42、T43、R52のいずれかにwindows10載せようと思っていますが、T42はCPU PM725ではwindows10 がインストールできないようで、725A 735Aに換装できればインストール出来るのでは思っていますが?
また、T43はグラフィックが915ではwindows10ではマイクロソフトの標準ドライバーなのでグラフィックの動作が遅く
ビデオチップがATI Mobility FireGL V3200のT43pのマザーボードならwindows10が載せられるのでは思っています。
シングルコアのCPUでは無理を承知でwindows10を動かして見たいと思っているのですがグラフィックで躓いています。
CPU PM 725A 735Aは手に入りにくいようです
色々参考になり特にキーボードは参考になりました。

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