カテゴリー
Software インターネット

いかに人は不注意になれるのか? (2)

そういう風に作られている

前のエントリーで、「検索結果上位にあるソフトの作者のサイトからダウンロードするのがいいのでは?」という趣旨のコメントを頂きました。

私の見たところではそれは一理あるように見えるかもしれないけどむしろより厳しいのではないかと思います。ソフトの作者のサイトと言ってもそれこそソフトの作者の数だけトラップが仕掛けられているといっても過言ではない状況があるからです。

作者のページを見てみよう

前のエントリーで例に出したImgBurnはぐぐると確かに一番目に作者のページが出てきます。そこから作者のページにジャンプするとこんな感じです。

imgburn-top1

さあ、ぱっと見てどこをクリックしますか?「Start Download」や「ダウンロード」などのいかにもダウンロードできそうな文字が見えていますね。これをいきなりクリックしてしまう(不注意な)人が結構な割合でいるはずです。そういう風に作られていますから。

imgburn-top1b

でも、これらは全部いわゆる「広告」のリンクです。上図の下の「ダウンロード」はImage Rasizerというソフトの広告です。これは、四角い枠で囲んであって小さな文字で”advatisement”(広告)の表示があるのでまだマシな方です。中央の「Start Download」はそのすぐ左の “Your computer can work a lot faster”といううたい文句のImgBurnとは関係ないソフトのダウンロードリンクになっています。実際、クリックすると、”imgburn_smc_installer.exe”というファイルのダウンロードがいきなり始まります。ImgBurn とは関係の無いソフトなのにファイル名に imgburn が含まれていますね。不注意でクリックしたとしてもダウンロードされたファイル名が ImgBurn とは似ても似つかぬファイル名だったら間違ってクリックしてしまったということが分かりますが、これはどういうことでしょうか?少なくとも善良な方法ではありませんね。

imgburn-top1a

ここでの正解は上図のようにメニューにある小さな”Download”をクリックしてダウンロードページに飛ぶことです。これはかなりハードルが高いと思いませんか?

 

さあ、やっとダウンロードできる、ぞ?

imgburn-DL1

さあ、ようやくダウンロードのページにやってきました。さあ、このページではどうすればいいでしょうか?「ダウンロード」や「Download」の文字を探してみるとど真ん中にありますね。拡大して見てみましょう。

DL-01

どうですか?よく考えないで緑色の「Download Now」をクリックしてしまう人はいませんか?きっといますよね。そういう風に作られていますから。

DL-02

でも、これは前のページと同じ関係の無いソフトをダウンロードさせるリンクです。ここでもダウンロードしたファイル名は本来ダウンロードしたい ImgBurn のインストールファイルに見える”imgburn_smc_installer.exe” です。これでは、一旦無意識にダウンロードしてしまうともう気がつきませんね。

DL-03

本当のダウンロードリンクは上図の青枠にある Mirror 1からMirror 7までの文字リンクになります。リンク先はまた別のサイトに飛ぶのでそれなりに罠があったり無かったりしますが、キリが無いので割愛します。ここもミスを誘う作りになっていますね。普通はメインのダウンロードリンクに対して負荷分散などの理由でミラーサイト(Mirror Site)へのリンクを作りますが、ここでは緑色の無関係なダウンロードへのリンクがさもメインに見えるようになっていて、本来のダウンロードリンクを全て Mirror 表示のシンプルな文字リンクにすることで心理的にクリック優先順位を下げています。

特効薬はあるか?

さて、ここでもやはり「注意してくださいね~」ということになってしまうのですが、ブラウザに広告を表示させないようなアドオンを入れるとかなり騙されにくくなります。

TOP

 

DL

これはFireFox用の広告をブロックするアドオンをオンオフした時の ImgBurn 作者のトップページとダウンロードページの見え方の違いを表しています。ミスリードな広告が消えると素直に目的のダウンロードまで簡単にたどりつけるようになりますね。このようなアドオンを使うことでかなりの不注意による事故を防ぐことができると思います。

Adblock Plus

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です